コロジオン液と銀化合物液体をガラス板やアルミ板に塗って感光材料にする「湿板写真」が1851年に発明されたのち、1871年にゼラチンと銀化合物を使った乾いたガラス板を感光材料にした乾板写真が生まれました。そして1889年にガラスの代わりにセルロイドを用いたロールフィルムが発明されました。このゼラチンと銀化合物をガラス板やフィルムや印画紙に使う写真技法をゼラチンシルバーといいます。日本では銀塩写真と呼ばれます。
フィルムはその後100年以上も人気を博し、1990年代後半に最盛期を迎えます。しかし、2000年以降のデジタルカメラの躍進と共に、衰退を辿り現在に至ります。
美山フォトスタジオでは、中判カメラ(通常のフィルムよりも大きネガフィルムを用いるカメラ)を使って、モノクロネガ1本(10カット)を撮影します。ネガを、私たちの手で暗室にて現像したのち、1カットを選びだし、手焼きでゼラチンシルバープリントを作ります。印画紙には廃盤の独特なバライタ紙を使い、セピア色がかったレトロ調のミュージアムクオリティのプリントに仕上げます。100年以上色褪せることはありません。デジタル写真が超えることのできない、ネガフィルムの質感をお楽しみ頂けます。
現像からプリント、写真台紙アルバムまで全て手作りのため、撮影日から郵送(送料別)での納品まで約1週間かかりますのでご了承下さい。
撮影日に、美山フォトスタジオが併設される、一棟貸し切りの宿「カーサ美山」に宿泊のお客は上記の値段から20%OFFになります。
兵庫県出身。長年ドキュメンタリー写真家として世界で活躍してきた。近年、プラチナプリントや湿板写真といった古典写真技法で作品を創作する。2020年、彼のプラチナプリント写真集「SHIZEN」がイタリアの出版社から出版される。
バルセロナ出身。トラベルフォトグラファーとして世界各国をめぐり、スペインを始めヨーロッパの雑誌で作品を掲載する。2002年から日本を主に撮影する。2011年、写真集「JAPAN/日本」、2022年には写真集「Imperfect Utopia」を森本徹と共著で出版する。